新宿・歌舞伎町のホストクラブVOGUEで圧倒的な人気を誇る零王(れお)支配人。抜群のコミュニケーション能力(化け物)と端正な顔立を搭載したホストになるべくして生まれた男…というのは、今現在の話。実は1年半前は91kgの巨漢で、ホストというよりもゆるキャラだったのです。まさに劇的ビフォー・アフターを体現した零王の半生を紐解いていきましょう
零王(VOGUE)

父はネパール人、母は日本人
―今日は10分の遅刻だね!
零王●いやマジでスイマセン!!
―いやいや、ドタキャンに比べたら全然大丈夫よ(笑)。
零王●あの時も本当にすいませんでした!
※季刊誌MYHOSのグラビア撮影で、撮影日に寝坊をしてリスケに
―冗談はさておき、零王のダイエット話を聞く前に、これまでのことを教えてくれる?
零王●はい!実は父がネパール人、母が日本人で、しかも生まれは韓国です
―いきなり情報が多すぎるんだけど!!
零王●そうですか?物心ついた頃には日本にいて、気づいたら父の姿もありませんでした。
―サラッとすごい事言ってるな。
零王●父の事はほとんど記憶になくて、おそらく街ですれ違ってもわからないでしょうね。で、2年生の頃に母が突然「これからは英語が出来ないとダメ!」だと言い出しまして、母と弟と3人でフィリピンへ行くことになりました。
―展開がエグいな。弟が突然出てきたし。
零王●弟いるっす!で、フィリピンで生活を始めたわけですが、言葉もわからないし、治安もあまり良いところではなくて、子どもながらにストレスを感じていたのでしょうね、みるみる太っていきました(笑)。

約1年前に弟(右)と
―スポーツとかはしていなかったの?
零王●フィリピンってスポーツ文化があまりなくて、その頃にみんながやっているのはストリートバスケぐらいでした。でもそのバスケも高校生ぐらい怖そうな人たちしかやっていなくて、俺がそこに入れるわけもなく、ただただ飯を食べてブクブクと太っていったんです。これ、小4の頃の写真なんですが65kgありましたから!

小学4年生の時。ルールも全くわからないままいきなりキャッチャーに
―確かにデカいな!って、ちょっと待って、これ野球のユニフォーム着てない?しかも漢字だし。
零王●これはソフトボールっすね!
―どっちでもいわ!さっきスポーツ文化がなくて、バスケも出来なかったと言っていたじゃない。
零王●これは日本に戻ってからの写真っすね。
―おぉ急に日本に帰ってきたな。
零王●やっぱり日本が良くて戻ってきた感じっすね!4年生の時に戻ってきたんですけど、この身体じゃないですか。さすがに何かスポーツをやらないとと思って、近くの少年団のソフトボールをやることに。問答無用でキャッチャーをやらされたわけですけど、これをきっかけに高校卒業まで野球にどハマりすることになります。高校最後の大会が1番思い出深くて、9回表までうちが負けていたのですが、俺が逆転ホームランを打ったんですよ!

高校野球時代。テレビで放送されるほどの強豪
―ドラマみたいな展開じゃない!
零王●まさにヒーローっすよね(笑)。でもこの話には続きがあって、このまま9回裏をきっちり守れば劇的勝利だったのですが、突然の豪雨で試合続行不可能に。結果、無効試合になってしまったんです。幻のホームランとして、いまでも地元の鹿児島に帰ったら話題になります。
―鹿児島?また聞いてないけど。
零王●母親の実家が鹿児島にあるんすよ。フィリピンからそのまま鹿児島に帰ってきて、そこからはずっとそこですね。
八幡製鉄所に就職
仕事もプライベートも順調
―整理すると韓国→名古屋→フィリピン→鹿児島の順番で良いかな?
零王●そうっすね!高校卒業後は八幡製鉄所に就職したんですけど…
―八幡製鉄所?普通にすげぇな。
零王●結構言われますね。そこで3年ぐらい働いたのですが、同期とも仲が良いし、上の人にも気に入れられていたので居心地は抜群でした。
―コミュ力エグいもんな。高校球児だったから、しっかり上下関係も出来てそうだし。
零王●それはあるかもしれません。違う部署の人達ともやたら仲良かったです。それで、みんなに「そんなコミュ力あるのに、ここにいるのはもったいない」なんて言われるもんだから真に受けてしまったんですよね。それに先輩社員達が、幸せそうだけど、仕事に追われていて自分の好きなことが出来ていないように見えてしまっていたんですよね。ここで働き続けていても自分の好きなことも出来なければ、女手1つで育ててくれた母に何も恩返し出来ないなと思い始めてきちゃったんです。
それでそこから約1年はずっと転職のことを考えていました。BARやホストをみんなから勧められていたのですが、どうしても悪いイメージがあったからどうしても踏ん切れなくて。むしろ、ずっと丸坊主の九州男児だったからチャラチャラした感じが苦手だったんです。でも、やっぱり気になっていたからYouTubeで色々と調べるわけですよ。するとだんだんとホストの世界が魅力的に見えてきて。その中でも黒髪で一際目立っていた隼人さんに強く惹かれていったんですよね。それで思い切ってDMを出してみたところ、すぐに返信をいただきリモート面接をすることになりました。

高校時代
ビビりながらも思い切って一 隼人にDM
―今どきはリモートなんだね。
零王●自分が九州ということもあったかもしれません。それで、緊張しながら面接を行い、そこで色々と抱いていた疑問も解決できた気がします。じっくり考えてからホストをやろうか決めるつもりだったのですが、ちょうどVOGUEでオープニングスタッフを募集していることと、なによりも隼人さんから言われた「もったいない。もし半年後に始めたら出会うはずの何百人というお客さんを逃すことになるよ」の言葉にヤラれました。確かにどうせやるなら1日でも早い方がいいし、何よりもグランドオープンのお店に最初からいられることに魅力を感じました。

送別会での一コマ
―それですぐに歌舞伎町に来たの?
零王●その面接で決めたわけじゃなくて、なんと後日、隼人さんが北九州まで来てくれたんです。
―えぇ!九州まで?
零王●そうなんですよ!でも、直接会うって結構怖くないですか?それに歌舞伎でホストをやっている人だから、もうかなりビビってました(笑)。その反面で北九州まで来てくれたことに感動しちゃいました。ただ、初対面ですぐに「鼻を整形する気ある?」と言われたので改めて怖いと思いましたけど(笑)。
―でも、そこまでして零王のことを欲しい人材だと思ったんだね。
零王●そうなんですかね。でも、その瞬間にもう歌舞伎に行こうって決めたのは間違いないです。それで頭金なしで購入したフルローンの車を売却し、そのお金を握りしめて単身歌舞伎町へ行くことに。

頭金なしのフルローンで新車を購入
後編に続く
ショップデータ
店名 | VOGUE |
TEL | 03-6457-3822 |
住所 | 東京都新宿区歌舞伎町2-14-8 メトロプラザ2ビル 地下1階 |
ウェブサイト | https://kg-produce.jp/ |