【ヒトコワ】早朝6時に訪れる、とんでもないメンヘラ姫　［NEO PLUS］ZE零RO

僕の記憶にずっと残り続ける子がいます。長い間指名をしてくれていた子で、それまでは結構平和に仲良くやっていたんですが、ある日事件は起きました。

その日の営業終わり、後輩と飲んだ後家に帰って、時刻は朝6時。疲れてもう寝ようとしたその時、突然インターホンが鳴りました。こんな時間に配達かな？と思いカメラを見ると、そこには誰も写っていません。おかしいなと思いドアスコープを覗いてみましたが、やっぱり誰も写ってない。イタズラかなと思いましたが、なんだか嫌な予感がしてドアを開けてみました。そこにはドアを背にしてしゃがみ、手を頭の上へ曲げた奇妙な姿の女の子がいました。

インターホンを押す際カメラに映らないよう、巧妙に仕組んでいたのです。怖いのは僕がその子に家の場所も部屋も教えていないということ。「な、なんでいるの？」恐る恐る聞くと、「ほんとに家に帰ったかどうか確認しにきた」とサラッと答えて、そのままじゃあね、とスタスタ帰ってしまいました。たまたま歌舞伎町で僕を見かけたのでタクシーで後をつけて、マンションの外から監視して階数と部屋まで突き止めたらしいです。僕が家に帰ったかどうかだけのためにここまでする人は初めてでしたね。

その後、出禁にしたのですが、ある時新人の内勤さんが間違えてその子を入店させてしまったことがありました。入ってきてしまったからには、席につかないわけにはいきません。「久しぶりー」なんて言って隣に座ります。なんだか妙にデカいバッグ、中身には何が入れられているんだろうと気が気ではありません。とりあえず内情を知るベテランのキャストでヘルプを固めて、僕が万が一刺されそうになっても即ガードできる体勢でいてもらいました。その日はお金を結構使いにきてくれたとのことだったのですが、この子の性格上お金を使えば使うほど依存し、メンヘラ化するのは目に見えていたので…ありがたく辞退し、気持ちだけ受けとっておきました（笑）。