売った愛車代金を握りしめて単身歌舞伎町へ！！

零王●ホストをやろうと決めた日からデビューまで少し日数があったので、その間にYouTubeを見てめちゃくちゃ勉強しました。学生以来ですよノートにみっちり書いたのは（笑）。
―真面目か！
零王●上京する日は朝7時の新幹線だったのですが、同僚が送別会を開いてくれて朝5時まで飲んでました（笑）。友達もめちゃくちゃ来てくれて本当に嬉しかったですね。そして僕のホストライフがスタートしたわけですが、最初はとにかくみんなと仲良くなろうとヘルプに付きまくっていました。別にご飯を奢ってもらおうだなんて打算がなかったわけじゃないですけど（笑）。
―で、やっぱりそんな性格だから好かれたでしょ？
零王●すごい皆さん良くしてくれて、食費はかからなかったですね。でも、先輩たちに好かれたからと、そのままのノリで接客をしていたのですが、やっぱり女性からは受け入れなくて…。

後輩キャラを演じていた頃

―後輩キャラを接客でもしたってこと？
零王●そうなんすよ。顔もカッコよくなければ服装もダサかったので、もうこのキャラで攻めるしかないと思っていたんです。けど、女の子の前では全く喋ることが出来ず、ただなんかヘラヘラして横に座っているだけの男になってしまったんですよ。当然ながら売上も上がらずで、悔しくて泣きながら掃除していました。それで、この状況を脱却するために隼人さんに「何でもするので教えてください」とお願いしました。

―もはや、なりふり構わないって感じ？
零王●はい。それでSNSも本気でやり始め、鼻も整形したんです。
―よくお金あったね？
零王●車を売ったお金をそのまま残してあったので。隼人さんにお願いした次の日にはカウンセリングを受けました（笑）。
―行動早すぎでしょ。
零王●それだけ追いつめられてたってことっすね。そこからやれるだけのことはしていたら、徐々に効果が出てきて売上も徐々に上がるようになってきたんです。ホストを始めて4ヶ月目です。

MAX91kgの巨漢が完成！店ではゆるキャラ扱いに

暴飲暴食の結果

零王●先輩に頼らずともご飯が食べられるようになると、元々食べることが好きなのでバクバク食べちゃうようになっていきました。それに仕事でのストレスもプラスして、暴飲暴食が加速していきました。ひどい時はビックマック8個をペロリと平らげてましたから。
―それはエグい。でブクブクと太っていった？
零王●MAX91kgまでいきました。でも、そんな太っても売上は下がらず、なんなら役職も主任にまでなってしまったものだから、痩せる気なんて全く考えていなかったですね。さすがに隼人さんからは「痩せろ」と言われましたけどね。

送別会の時と同じポーズで（前編参照）

―無視したってこと？
零王●「わかりました！」と言って、隼人さんの前では食べないようにしていて、ご飯に連れて行ってもらっても眼の前では我慢して、帰ったら家で爆食いしていました。
―ひどいね〜隼人さんを欺いていたってこいとじゃない。
零王●そうなりますね。でもお客様からドラえもんだとかトトロとか言われるようになってきたときに、冷静になって1度しっかり考えたんです。「自分はホストではなくゆるキャラなのでは？」と。そして、周りの同期や後輩がホストとして売れていくのを見ていたら、急に焦ってきたのと、女の子に「痩せたい」と言っているわりには、全く行動を移せていない自分にも腹が立って。で、このままではいろんな意味でヤバいと思ってダイエットを決意したんです。

いよいよ本気でダイエット開始！指名本数王者になる3ヶ月前

本気になったトトロ

―どうやって痩せたの？
零王●気合いっすね。
―バカなの？
零王●……。
―具体的に何をしたか聞いているんだけど！！
零王●ほぼ水だけで生活して、ジムに行ったり散歩をしていました。ジムって言っても市営のやつですけど、結構設備が整っているので全く不満はありませんでした。とにかくひたすら身体を動かし、ほぼ水のみの生活して3ヶ月後には71kgまで減らすことが出来たんです。

―3ヶ月で20kg減はすごいね。
零王●結構頑張ったっす。やっぱり初回の受けもかなり良くなって、これまで「カッコイイ」なんて言われたことなかったのですが、だんだんとそういった声を多く聞くようになると、指名されることが多くなり、気づけば痩せてからは誰にも指名本数で抜かれないぐらいになりました。
―V14？
零王●おかげさまで。改めてホストは見た目も超重要だってことを身に染みましたし、自分がイケメンであることを知れました（笑）。

―おぉ！調子に乗ってるね！！
零王●冗談っす（笑）。でも、デブの時は宣材写真を撮るのも、動画配信も本当に嫌でしたが、いまの体型であれば無加工でも問題ないので、配信回数も増やすことが出来ますから、間違いなく痩せてからは良いことばかりっす。

―じゃぁ、いま太っているからホストは出来ないと考えている人は考え直した方が良い？
零王●絶対に考え直した方がいいです。僕自身も世界が劇的に変わり、今では母にも恩返しを少しずつ出来るようになりましたから。この前も1番下弟の運動会を見に九州まで帰ったのですが、その時もみんなを食事に連れていきました。
―1番下？2人兄弟だよね？
零王●3人っすね。母が再婚して、小学生の弟がいるっす。本当に可愛くて、俺のことを「あんちゃん」って呼ぶんですよ。なんでも買ってやりたくなります。
―いやいやいや、もう1人の弟とお義父さんが急に出てきたんだけど。
零王●あれっ言っていませんでした？日本に戻ってから再婚したんですけど、初めは「お父さん」と呼ぶのが気恥ずかしくて。でもお父さんが俺ら2人に気を使ってくれているなと子どもながらに感じて、弟に「名前じゃなくお父さんと呼ぼう」って言ったのことを今でも覚えています。結構、俺って人格者なんすよ。
−もういいわ（笑）。