陰キャ・人見知り・コミュ障・童貞の男がホストデビュー

高校卒業後、地元の茨城で公務員を目指すために専門学校に進学。卒業したら消防・警察関係の仕事に就ければなと思っていたのですが、現実はそう甘くはなく、全て落ちて途方にくれてしまいました。

特に何もしたいこともすることもなかったある日、姉からホストをやらないかと誘われたんです。姉は以前から六本木の夜業界で働いていて、知り合いのホスト関係の人に「誰かいないか」と聞かれていたみたいで。それで、何にもしていない僕が紹介されたんですけど、そこがFUYUTSUKI -PARTY-だったわけです。

20歳。気がついたらホストになっていて、場所はFUYUTSUKI -PARTY-。そこ以外に体入などはせず流されるままホストデビューすることになりましたが、未知なるその世界は恐怖でしかありませんでした。

というのは、その時のFUYUTSUKI -PARTY-には奈槻さん、まさきさん、昴さん、星音さんら錚々たるメンバーがバチバチに売上バトルを繰り広げていて、その雰囲気が凄まじくて。そんな中に、何にも知らない陰キャ・人見知り・コミュ障・童貞のフルコース揃った僕が入ったところで何も出来ないし、ただただ怖かったことだけは鮮明に覚えています。

「大人」を学んだホスト業

「なんで辞めなかったの？」とよく聞かれるのですが、辞めてもやることがなかったし、辞めたら怒られるんじゃないかって勝手に思っていて。今思えば、そこでフェードアウトしなくて本当に良かったですよ。

20歳でこの業界に入り、お酒もタバコも、そして女性もそこで覚えました。童貞でこの業界に入ってくる人は稀なようで、よく驚かれましたね。ちなみに童貞を卒業した相手は僕を初指名してくれた子だったのですが、見事に性病をもらいました。翌日にアソコが爆発するぐらい痛くなって…。ただ童貞だったから「気持ちいいのには副作用があるもんだ」と解釈（笑）。先輩にそのことを話すと爆笑されましたけど。

SNS効果で売上が10倍以上に

特に大きく跳ねることもなく、掃除組を脱出できるぐらいの売上をずっと続け、役職は万年幹部補佐。経歴だけが長くなるだけで、相変わらず酒が入らないと喋れず、しかも酒癖が悪い。さらに新人だけにイキっているような最悪な人間でした。

でもあるきっかけで僕のホスト人生は大きく変化します。それこそがSNS。星音さんのSNSに出させてもらうと大きな反響を呼び、続けていくと次第に売上もどんどん伸びていきました。昨年の2024年に、まさにそれが開花してそれまでの月の最高売上250万がなんと2500万と10倍も更新することが出来たのです。結果が出せたことで、それまで関わることのなかったトップランカーの方々と接することも多くなり、ホストとしての自信も少しずつですがついてきました。

数年間ずっと庇ってくれていた星音さんに報いるために

最近知ったのですが、当時、僕が色々とやらかしてしまったことを、僕の代わりに星音さんが上の人からずっと怒られていたことを知りました。数年間、このことを知らなかったのも恥ずかしいですし、こんな万年幹部補佐を見放さないでいてくれた星音さんに申し訳なくて。それを聞いて以降、ホストとしての在り方を真剣に考えるようになりました。2024年は星音さんのおかげで壇上にも上がれましたが、本当に真価が問われるのは今年だと思っています。1発屋だと思われないためにも、今年がホスト2年目だと持って取り組んでいるつもりです。

表彰式での初壇上の感想ですか？正直、頭が真っ白で何も覚えていないんです。それまで表彰式に参加するだけでしかなかった自分が、まさかみんなの前で立ってコメントをする立場になるなんて想像もしていませんでしたからね。何を言ったかも本当に覚えていないんです。ちなみにランカー席というのがあって、そこに通されたのですが、周りのメンバーが凄すぎて、ずっと立っていましたよ（笑）。

何がきっかけで大きく跳ねるかわからない魅惑の世界

星音さんを抜くことが恩返しだと思って、とにかく走り続けるだけ。当然ながらプレッシャーも相当なものがありますが、それ以上にこの仕事の楽しさを噛み締めている最中です。6年間ずっと低迷していただけに余計にこの仕事の魅力に取り憑かれていますよ。本当にこの仕事はどこにチャンスが転がっているかわかりません。僕のように6年間低迷していたとしても、たった1年で幹部補佐から支配人にまでなれる世界ですから。生活だって良い方に激変しましたからね。だからこそ、いま燻っている人も絶対に諦めないで続けるべきだとハッキリと断言できます。その事だけは僕から偉そうに言わせてください（笑）。